しくじり薬剤師 Cさんのプロフィール
薬剤師歴13年。ママ薬としてブランクから復帰。持ち前の明るさとコミュニケーション能力で、在宅医療を中心にバリバリ働いています。
地域密着系の調剤薬局で働いています。在宅医療にチャレンジし始めの時、こんな“しくじり”がありました。今回、皆様にお伝えしたい授業テーマは、こちらです。
当時の私
数年前、子供に手がかからなくなり、薬剤師の復帰を決めました。せっかくなので、在宅医療をやりたい!認定試験や研修を終え、いよいよ一人での在宅医療が始まりました。徐々に業務にも慣れて来たある日、おばあちゃんの患者さんに出会いました。「あら、あなた私の娘にそっくりだわ!」と、声をかけてくれた、とても人懐こく、可愛いおばあちゃんでした。
ある日、起きた出来事
在宅医療の楽しさや、やりがいが見つかりそうだな、と嬉しい気持ちで日々の業務に打ち込んでいました。そんなある日、おばあちゃんの家に3回目くらいの訪問の時だったでしょうか。居間に上がったらテーブルの上に、なんと、お茶と煮物が用意されていました。「ちょっと作りすぎちゃったんだけど、Cさんに食べてもらいたくて」味見程度の量だったので、一口いただきました。美味しかったので、「料理がお上手なんですね、私にも教えてもらいたいです!」と感想を告げ、その日は帰りました。それからというもの、だんだんとおもてなしはグレードアップ。次の訪問時、なんとおばあちゃんの手料理は、しっかり1食分用意されていました!断ることもできず、次の訪問もあるので急いで食べきると、最後におまんじゅうも用意されていました。しかもその、おまんじゅうは賞味期限が切れていて…ご好意を無下にすることもできず、しょうがなく、覚悟を決めて食べました。
しくじりの気づき〜反省
在宅医療で重要なのはコミュニケーション。患者さんと仲良くなるのはとても大事なことです。しかし距離感を間違えると、医療人と患者さんとして関わるべき本来の目的がブレてしまうことも。おばあちゃんには、「次の仕事もあるからね」と、なるべく、やんわりと断りました。
患者さんのご好意を断るのが難しい、というケース。特に距離感が縮まる在宅医療ではつきものかもしれません。そのバランスをうまくコントロールすることが、在宅医療マスターへの第一歩ではないでしょうか。