しくじり薬剤師 Aさんのプロフィール
一度産休を挟んで、復帰したばかりのママ薬剤師。小児科の門前薬局で活躍中。
日々当たり前にこなしている業務でも、思いがけないことで“しくじり”って起きてしまうものですよね。今回、皆様にお伝えしたい授業テーマは、こちらです。
当時の私
大手チェーン店に入社し、2年目の秋に異動した小児科の門前薬局での出来事です。高度成長期に建てられた、お世辞にも綺麗とは言えないマンモス団地に隣接する薬局で、患者層は大変若いママさんが多く、俗に言うギャルやヤンキーと言われる方々も多くお越し頂いておりました。
ある日、起きた出来事
ある冬の日、近隣の小学校ではインフルエンザが流行っており、朝から大変混雑してました。薬をもらいにくる子供達は本当に辛そうにしているので、できる限り早く薬をお渡し、早く家で療養してもらうため、私も頑張っていました。
そして、午前診療がまもなく終わりに近づいた時に事件は起こりました。
鑑査も終わり、男の子に最近よく見る漢字のお名前。「響(ヒビキ)さーん」といつものようにお呼びすると、ベースボールキャップを斜めに被り、ユッタリとしたジャージの片足だけを捲り上げたママさんが立ち上がり、「ヒビキって誰だよ!、名前間違えてんじゃねーよ!!」との大きな声。一瞬の出来事でポカーンとしている私。「申し訳ございません、お名前間違えておりましたか?」と声をかけると、「ヒビキじゃないリズムだよ、リ・ズ・ム!!」と追い討ちをかけました。すぐに薬局長も調剤室からでてきて、一緒に謝ってもらい、その場は収まりましたが、「高学歴のくせに何にも知らねーんだな、まじで!」と言い放って帰っていかれました…。
しくじりの気づき〜反省
薬局内の一連の流れは“ナイスリズム”だったのですが…。思わぬ展開にしばし放心状態でした。その事件をきっかけに、日々当たり前のようにお呼びする名前の重要性を再認識することに。後日、薬局内でのミーティングで最新の子供の名前をみんなで勉強しました。また、緊急時に対応できるようにカウンターのパソコンには、勉強会に使用された資料が格納されています。
名前を間違えるのはあっていけないことです。お越し頂いた患者様が安心して気持ちよく帰って頂くため、私たちも受付時にしっかり名前確認をしなけければいけません。また時代の変化に合わせて、勉強を欠かしてはいけないですよね。でも…ちょっとは読みやすい名前をつけてほしいな、と個人的には思います。
※このストーリーはフィクションであり、実在の人物・お名前とは一切関係ありません