20世紀末〜21世紀初頭に調剤薬局に生息していたと言われる薬剤師。
真面目でよく働くが、21世紀初頭に絶滅。原因は調剤のスキルしか持ち合わせて
おらず医薬業界の環境の変化に耐えられなかったことが要因と言われている。
時代はさかのぼり、戦前の日本。薬を作る調剤権は「薬師=(現在の医師)」のものでした。保険が整備されておらず、医師にかかるには経済的に大きな負担という中、街の薬局にいる薬剤師は地域の人々の相談所として頼られる存在でした。戦後日本にやってきたGHQの指導のもと、医師と薬剤師の医薬分業がスタート。院外処方へのシフトは中々進みませんでしたが、1974年の診療報酬改定で、処方せん料が5倍に増加。
のちに医薬分業元年と言われるこの年から、医療業界の中で調剤薬局というビジネスモデルが出来上がり、調剤オンリー薬剤師が誕生しました。調剤オンリー薬剤師は、隣接した病院から受けた処方せん通りに投薬するので、かつての街の健康カウンセラーのように頼られる薬剤師から、処方せん応需枚数をこなすことがメインの役割へと変化。さらに当時の調剤薬局経営は、薬価差益も30〜40%もあったと言われ、まさにバブルの時代。薬局・薬剤師の能力や個性の、差別化や競争ない中、調剤オンリー薬剤師はどんどん数を増やし続けていきました。
前の時代で全盛期を迎えた薬局と薬剤師。しかし2000年代に入り、状況は一変。高齢化の進行による社会保障費のコスト増を懸念し、国が医療費削減の対策を徐々に始めていきます。医療業界の中で、医師や看護師が厳しくコスト削減を求められる中、ついに薬局と薬剤師にもメスが入ります。かつて30~40%あった薬価差も取れなくなり、15%を割る時代に突入。利益の源泉が削減され、薬局経営も難しくなり、以前のような調剤薬局乱立も影を潜めました。
調剤オンリー薬剤師の業務内容も処方せん応需枚数より、調剤報酬に加算される業務の質を求められるように変化します。突如現れたのは、かかりつけ薬剤師というキーワード。医療業界全体で地域包括ケアをする中で、患者さんへの薬学的管理(重複投薬の防止や残薬解消)、在宅医療の実施、医療・介護・福祉との連携、24時間対応など…一気に課せられるものが膨大に。本来の薬剤師の使命だった、地域の人々から信頼される役割を改めて求められた結果、調剤しかできない薬剤師たちは変化に対応できず、絶滅してしまったのです。
調剤オンリー薬剤師が絶滅に至ったのは、前述のように「かかりつけ薬剤師」に進化できなかったことと同時に、「調剤ロボ」の発達も大きな要因と言われています。処方せん情報を読み込めば、自動監査、ピッキングから封入と、調剤ロボが最も得意とする正確な調剤がオートメーションで行われる時代が到来します。このような機械化の追い風を受けて、未来型薬剤師は対人業務を中心に変化していきます。調剤ロボが仕事をしている間、薬剤師は窓口で患者さんとのコミュニケーションを行います。
患者さんの顔色や表情、何気無い会話の中から投薬内容と症状を照合したり、薬や生活についての質問やチェックをしたり…人間だからこそできる「質問力・気づき力」が改めて問われます。そして、「あの薬剤師さんにまたお願いしたい!」と患者さんがファンになってしまうような薬剤師像が求められるのです。調剤ロボと協力し、かかりつけ薬剤師の能力をさらに特化させた未来型薬剤師は、薬とカウンセリングのプロとして医療を支える存在へと進化してゆくのです。
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