

バリバリ働くママ薬のTさん。
“かかりつけ薬剤師”制度が始まり、患者さんへの対応が
自分でも驚くほど変わっていったそうよ!
早速インタビューしてみましょう。
Tさんよろしくお願いします!最初に、“かかりつけ薬剤師指導料”の話を聞いたときは、どう思いましたか?
ネガティブでした。全部自分一人でやってかないといけない!私にそんなにできるかな?と。幅広い分野でやって来たタイプなので、例えばガン治療などの患者さんに質問されたらどうしようとか。個人の性格としても、根掘り葉ほり聞けるタイプでもないんです(笑)。患者さんに対して、薬局薬剤師という認識されていたのが、急に「一個人」として見られることに不安だったんですね。あと指導料が高いんじゃない?と思いました。不安だらけ(笑)
えー、ベテラン薬局長のTさんでもそんな風に思うのね! 同僚の、かかりつけ薬剤師さんの反応はどうでしたか?
女の子たちは「ひゃー!」とビビってました(笑)ベテランの事務さんがいるので、制度について、勉強してくれてみんなにフィードバックしてくれましたね。
それは助かるわね。当てはまりそうな患者さんの具体的な顔が浮かびましたか?
最初は浮かびませんでした。ただ2~3月の間、服薬指導しながらイメージが湧いてきました。この方だったら!という感じです。
“かかりつけ薬剤師”制度のスタート直後はどうでしたか?
どういうきっかけで声をかけるべきなのか、難しかったですね。やはり慣れないし、周りの薬剤師もみんな後輩なので、「私が手本を見せなきゃ!」と思って取り組んでました。
そこから、どのように改善したのかしら?
かかってる処方元の数が多かったり、小さいお子さんがいたり。“かかりつけ”が必要とされそうだな、というパターンが蓄積されてきて。それをみんなで共有して、声かけしていきました。あとは、うちの薬局は事務さんが超優秀なので、待ち時間に声をかけて、かかりつけ薬剤師の制度について説明するケースも多くなりましたね。
では、薬剤師で同意を取れる人、取れない人。どんな違いがあると思いますか?
うーん、なんでしょうね。うちの女子たちでは、「話し好き」な人は間違いなく同意を取れていましたね。でも食わず嫌い、というか単純に避けている子も多くて、共有した内容でちゃんと道筋を立てて話すように促すと、すぐに取れましたよ。あ、あとは薬剤師歴が長い子の方が自信を持って接することができるので、やはり獲得できていたかな。
Tさんが説明をする際に、気をつけていること、必勝パターンがあれば教えて下さい。
指導料の金額については言いづらかったですね。なので、残薬調整とセットでメリットを話します。話しながらメモを書いて、図にして説明したり。そうすると、「そうそう、すぐ数が合わなくなるのよ!」とか「ねえ、ついでにこれも聞きたいんだけど!」と、話が進んで、同意いただけることも多いですね。

同意が取れている患者さんの年齢・性別に特徴があったりしますか?
男女同じくらいですかね。都市部ではないので、高齢の方が多いです。女性の方が断らない印象がありますね。「俺は薬局の言うことは信じない!」というおじいちゃんに断られたこともありました。そういった頑固な人や、説明しても「よくわからないので良いです」といった断られ方も少なからずありました。
確かに、おじいちゃんは頑固な人が多そう!
逆に若い女子が担当についている患者さんは嬉しそうだったり。単純だなあ、と思いますけど(笑)担当薬剤師が休みの時に、「今日〇〇ちゃんいないの?」とか聞かれることも。こんなこと今までなかったから、驚きですよね!
患者さんとの印象深いエピソードはある?
以前と比べて、圧倒的に余談が増えましたね。先日も患者さんから「この前、救急車で運ばれちゃって!」とか、急に言われてびっくりしたんですけど(笑)医療に関わることすべてを伝えようとしてくれる患者さんが増えました。眠剤が変わって、「この薬どうなのかしら?」と悩みを相談してくれたり。自分のアドバイスで、「やっぱり続けてみようかな」と言ってくれたりすると嬉しいですよね。それだけ信頼・期待されているし、こちらにも責任を感じます。
良い関係性が築けていて素晴らしい!かかりつけ薬剤師になって、大変なことはあったりする?
営業時間内にお問い合わせは来ますし、地域の活動も元々、処方元と一緒にお薬相談とか、お祭りとか出店していましたから、仕事が増えたな、という印象はそんなにないですね。
服薬指導が続いちゃうときとかはある?
忙しいときは、3人の患者さんが連続で来たりします。それが一日5回くらいあると詰まっちゃうこともありますね。事務さんの声かけ、他の薬剤師が監査だけしておいてくれたりとか。薬局一丸となってみんなで対応していますね。
これから“かかりつけ薬剤師”になる人に向けて、伝えたいことはありますか?
最初に不安だと思っていた、「一個人」として認識されることが、今は楽しいです。私の表情も豊かになったと思うし、リアクションも増えました。そうして仲良くなった奥様が、後日夫婦でいらっしゃって、「あんたも“かかりつけ”やってもらいなさいよ」と言ってくださり、旦那さんも担当したり。「薬局や薬剤師なんて薬だけ出していれば良い」、と思っている患者さんも少なからずいらっしゃったと思いますが、患者さんの意識が変わってきたことを実感しますね。新体験の連続で、刺激的です(笑)
何か勉強したり、やった方が良いことはある?
まず、3年以上勤務経験があって、できない薬剤師はいないと思います。患者さんと関わる中で、これが“かかりつけ薬剤師の使命”だと、自然にわかるようになりますよ。身構えなくても大丈夫です。若手の薬剤師は、制度が始まってから圧倒的に成長しました。監査のスピードが速くなったし、何より患者さんに対して注意深くなりました。難しい質問は私たちベテランに聞きに来たり、あとで問い合わせしたりして、苦労していますが、本当に良い経験ですよね。
私としては若い人にぜひ実践してもらいたいと思っています。


かかりつけ薬剤師になることで、ベテラン薬剤師でも今まで経験できなかったことがたくさんあった、とTさん。責任感とやりがいが生まれるので、ぜひ若手に勧めたい!という熱意を感じれたわ♡ママ薬にもぴったりな“かかりつけ薬剤師”あなたもチャレンジしてみては!?